相談文
先日、小学校4年生の息子が「同じクラスのA君が、ほかの子からちょっかいをかけられて困っている」と言いました。詳しく尋ねるとA君は、一部の男の子たちから、物を隠されたり、机に落書きされたりしているとのこと。心配した息子が声をかけても、A君は「大丈夫だから心配しないで」と言うそうです。私は息子から聞いたA君のことを、他人事として受け取ることができません。A君の母親とも、学校行事などで顔を合わすと気軽に話す仲です。しかし、息子から聞いた話を、A君の母親に相談していいものか悩んでいます。もしかすると、A君の母親はこのことを知らないかもしれません。いまの私は、何をどうすればいいのでしょうか。(40代女性)
回答文
心優しい息子さんに育てられましたね。ちょっかいをかけられている友達の姿を見過ごすことができなくて、どうしたらいいのだろうと思いながら、誰にも相談できずに悩んでいたのでしょうね。お母さんを相談相手に選んだことは、とても賢明だったと思いますし、思い切って相談してくれたことを、心から褒めてあげてください。
さて、あなたの悩みは、あなた自身が、A君の身に起こっていることをお母さんに伝えるべきかどうかということなのですね。私はもちろん、早くに伝えてあげるべきだと思います。とはいえ、こういうことは伝え方が本当に難しいですよね。いきなりA君のお母さんに、「あなたのお子さんはいじめられていますよ」と伝えても、どんな事態になるのか・・・。想像がつかないだけに躊躇するのも無理ではないと思います。しかし、想像がつかないことだからこそ、そこに親神様、教祖のお働きを願いたいと思うのです。息子さんのA君を思う気持ちを大切にしてあげて、親子でA君親子のために、自分たちのできることを話しあってみられてはいかがでしょうか。A君のお母さんが、あなたからの言葉を上手く受け止めてくださるように、また、A君が本当は困っている気持ちを、お母さんに素直に伝えることができますようにと、おつとめに思いを込めることや、ひのきしんに励むことも、きっと教祖がお受取りくださる種になることを教えてあげてください。小学四年生といえども、真剣に話し合えば、必ず心に響き、人をたすける心を養って、強く育ってくれることでしょう。
とはいえ、いじめという根の深い問題については、多くの人の協力なくしては治まるものではありません。また、ただ悪者をつくるだけでは解決に繋がらないと思います。いじめをする子どもたちの心の闇にも、慈しみの心を持って思いをいたしながら、周りの大人たちが広い大きな心で、はぐくみ育てていくことが求められているのではないでしょうか。息子さんやA君のクラスが、出来るだけ早く笑顔に包まれることを、私も祈っております。
『天理時報』人生相談 回答者:吉福多恵子
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