キリスト教には聖書があり、仏教にはお経がありますが、天理教にはそのような聖典はあるのでしょうか?
もちろんあります。天理教には原典と呼ばれるものが3つあり、原典とは別に、教義書がいくつかあります。
天理教の原典
天理教には原典と呼ばれる聖典が3つあり、合わせて三原典と呼ばれています。
なぜ原典と呼ばれているかと言うと、後にご紹介する天理教の教典を編纂される際の基となった書物だからです。
それでは、三原典を順番に見ていきましょう。
おふでさき
まず1つ目にご紹介するのが、おふでさきです。
漢字を当てはめると御筆先となります。
天理教の教祖であるおやさまが、自ら筆をとって記された書き物で、現物は現在でも天理教教会本部で保存されています。
形式は、五・七・五・七・七の和歌体で、全部で1711首のお歌があります。
このおふでさきでは、天理教の教えの全てが述べられています。
みかぐらうた
2つ目にご紹介する原典がみかぐらうた です。
漢字を当てはめると御神楽歌となります。
おつとめの地歌(いわゆる歌詞)で、これはおやさまが書かれた現物はまだ見つかっていません。
形式は七五調が基本となっています。
みかぐらうた では、信仰の心得が親しみやすく、覚えやすく説かれています。
おさしづ
3つ目がおさしづです。
漢字を当てはめると御指図となります。
教祖と本席様(教祖が現身をお隠しになった後にも、親神様のお言葉をお伝えくださった方)の口を通して仰せになった親神様のお言葉を筆録したもの。
おさしづには、2種類あり、親神様からその時々に神意を述べられたものを「刻限のさしづ」と言い、人間の側から困っていることや病気などについて伺ったものに対して答えられたものを「伺いのさしづ」と言います。
以上、おふでさき、みかぐらうた、おさしづは、いずれも親神様から人間に対して直接教えてくださったもので、合わせて三原典と読んでいます。
次に、この教えを天理教教会本部がまとめた主な教義書を3つご紹介したいと思います。
天理教の主な教義書
一つ目が天理教教典です。
先ほどご紹介した三原典に基づいて、天理教教会本部において編纂されたもので、信仰生活の基本となる書物です。
2つ目が稿本天理教教祖伝です。
簡単に言えば、おやさまの伝記なのですが、史実を踏まえて、教理的に一貫した立場から述べられたものです。
3つ目が稿本天理教教祖伝逸話篇です。
これも、おやさまの伝記なのですが、当時の信者さんとのやり取りなど、おやさまの親心が感じられる二百篇の逸話を収録したものです。
以上、三原典と三つの教義書をご紹介いたしました。
三原典は、いずれも親神様から直接人間の教えてくださったものであり、中でもおふでさきは教祖の直筆のものが現存しています。
教理を知る上で、教祖の直筆の聖典が残されていると言うのは、本当にありがたいことだと思います。
今後、それぞれの書物について、より詳しくご紹介する記事も書いていきたいと思っています。
天理教の聖典についての動画も作成いたしましたので、ぜひご覧ください。