贈る心

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朝の冷え込みが一段と厳しくなってきました。冬枯れへと向かうこの季節、空気が澄んでいるからでしょうか、教会の門から仰ぎ見る岐阜城がいつもよりくっきりと近くに迫って見えます。

ここ数年、毎年この時期になると、一箱のミカンが届きます。お礼の電話を掛けながら、送り主の方との不思議な出会いを思い出し、話に花が咲きます。

ちょうど教祖百二十年祭に向かう年祭活動の真っ只中でした。四国の旧知の友達を介して電話をかけてこられたその方は、岐阜に住む従兄弟が重い病で入院していること、毎日お願いはしているものの遠く離れていて心許なく、何とか岐阜でおたすけしてもらえる人を探していたことなどを話してくださいました。聞けば、入院先も教会から車で30分ほどの距離にあります。私はもちろんおさづけのお取次ぎを約束して電話を切りました。

翌日から勇躍おたすけに通い出しましたが、家族の方の対応は想像以上に冷たく、何度も心を倒しそうになりました。しかし、「これが多恵子の百二十年祭だよ」という主人の後押しに勇気を得て、自分の出来る限りのことをさせていただこうと心も定まって、おさづけに通い続けることができました。
残念ながら私が行くようになって、わずか3ヶ月ほど後に出直され、家族の方とは心を通わせることができないままに、苦い気持ちを残しておたすけは終わりとなりました。それからしばらくして、四国の方から電話がありました。「葬儀に行って分かりました。奥さん、どんなにか辛い思いをして下さったことでしょう。申し訳ありませんでした。」申し訳ないのはこちらなのに、労わってくださる心の温かさに、涙がこぼれそうになりました。

こんな経緯があって、今日まで交流が続いているのです。ミカンに込めて贈られた心を十分に受けて、これからもおたすけに励みたいと思います。

長男の嫁は、教会の御用や育児に追われる中で、時間を見つけては、こまめに手紙を書いています。信者さん方にもしっかりと心を繋いでくれて、皆さんに可愛がっていただいています。

たった一枚のハガキに心が温まった経験はありませんか?何気ない一言に救われた経験はありませんか?神様は、いつも私たちの「贈る心」に乗って働いて下さるのですね。それにしても、心って全く不思議です。


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