食卓には「心」の栄養がいっぱいあります

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『笑いあり涙あり』

「ほらほら、いただきますするよ。」「もう、みっちゃんたら。ちゃんとテーブルに向かってご飯食べなさいってば。まったくテレビがおかずなんだからー。」

聞いてほしい話がある時には、学校から帰るなり、「ねえ、お母さん、聞いて聞いて」とうるさいぐらいの娘。「本当にジコ虫(自己中心)なんだから」とため息がもれる。

彼女は現在、中学三年生。大学生の息子二人が別々に一人暮しを始め、争奪戦の激しかったテレビのチャンネル権も、彼女の手中に納まって久しい。「食事の時ぐらいはテレビを消して」と言いたいのだが、娘に甘いのか、どうもこれだけができないで、今日まできてしまった。

子どもたちがまだ小さかったころ、毎夜毎夜の夕食はそれはそれは賑やかだった。「最初のご飯はおじいちゃん、次はおばあちゃんで・・。」といって、家族の中で大事な人を覚えていった。好き嫌いを言っていると、お父さんの小言も飛んできた。お正月のおせち料理、ひな祭りにはちらし寿司、教祖のお誕生日には特大のケーキも。大したことは出来ないけれど、普段とは違うハレの日をこうしてお祝いする事は母から私へと受け継がれ、私も次の世代へ伝えていきたい。

振り返れば、わが家の食卓には、いつも笑いがあり、涙があり、そしてくすぐったくなるような懐かしさがある。子どもたちは、家族で囲んだ食卓でいろんな事を学び、成長してくれたのではないかと、最近ふと思う。

『食育ノススメ』

娘の通う中学校のPTA役員をしている関係から、一年ほど前、「家族だんらんの食事を見直そう」と座談会を企画した。お母さんはもちろん、お父さん、先生方も巻き込んで、「我が家の食卓」を大いに語っていただいた。題して『食育ノススメ』。

朝食抜きの子どもたちがあまりにも多い。朝寝坊、ダイエットと理由はさまざまだが、これでは元気(体力)もやる気(気力)も出たものではない。また、遠足にはお母さんの手作り弁当よりコンビニのおにぎりを持っていきたがり、ついでにペットボトルのお茶を買うから水筒もいらないよ、という子どもが一人や二人ではなかったのには驚いたが、なんの「私はこうしてコンビニのおにぎりを超えた。」なんてユニークなアイデアも飛び出した。
聞けば、昔押し寿司に使ったような木の抜き型をお父さんに頼んで作ってもらい、海苔もしけらない様にラップで工夫をしたというのだ。今では、ひと言の手紙付き愛情弁当を喜んで持っていってくれるようになったそうだ。母もさるものである。

しかしながら、親子の生活時間の違いからか、一人で食事をとる子どもたちも多く、栄養面だけでなく精神面でもその影響はあちらこちらに歪みとなって現れる。

だれもが大なり小なり問題を抱えながらも、それぞれに「我が家流食育」を意識出来ただけでも大きな一歩だったと思う。

『食』は体の栄養であると同時に、心の栄養でもある。「何を食するか」が体の栄養であるとするなら、「どのように食するか」が心の栄養ではないだろうか。近年は健康ブームで誰もが身体にいいものを求めている。一日三十品目食べようとか、無農薬の野菜を食べようというのもいいが、要は「どのように食するか」だと思う。

私たちの命が、他の生けるものの大切な命を引き継いでここにあることを思う時、、どんなものをも感謝し、慎みの心でいただきたい。、日々の食卓の中で、子どもたちに生きる喜びを伝え、強く優しい心を育ててやることを私は『食育』と呼びたい。

2002年 天理時報特別号「人間いきいき通信」掲載
執筆者:吉福多恵子


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