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吉福 成人

岐阜市にある天理教濃飛分教会の教会長をしています。天理教YouTuberとして天理教の教えや活動を分かりやすく紹介しています。また、天理教本部見学ツアーを不定期で開催しています。「天理教四世五世」というコンビ名でM1グランプリに挑戦しています。
岐阜城を冠した金華山は岐阜市のシンボルです。教会の門からは真正面に仰ぎ見ることが出来、四季折々の変化が楽しめます。山は常緑樹が多いそうですが、春にはあちらこちらに霞みの雲がかかったように桜が咲き、五月を過ぎると、「岐阜市の木」ともなっている「ツブラジイ(どんぐりの木)」が一斉に薄黄色の花をつけて、山はその名の通り黄金色に輝きます。 さて、春は節目の季節。我が家では、末の娘が天理大学を卒業し、母校である天理高校の女子寮(歴史ある東寮が移転し、その名も新たにみのり寮となりました)の生活指導員としてお仕込み頂く ...
小さい頃、多分小学三、四年生頃のことだと思います。学校から帰ると茶の間のテーブルの上には、いつも色々な本に混じって、「陽気」の本が置いてありました。・・・・・・ 里の亡き父は本が好きでした。時間があれば、日当たりのいい縁側に腰を下ろして、ちょっと猫背になりながら、本を読んでいた姿が今も目に浮かびます。「陽気」はそんな父がいつも読んでいたのでしょう。そして、それがいつからか小学生の私の愛読書になっていました。でも、ちょっと困ったことには、「陽気」を読むと、決まって鼻水と涙で顔がぐちゃぐちゃになるのです。そん ...
『育てているつもりが育てられ』 先日、新聞のコラムに、「育む」(はぐくむ)という言葉の語源が、「羽含む」からきていると書かれていた。なんてきれいな響きなんだろう。日本語のもつ美しさには、時として感動させられる。古来、言葉に魂が宿ると信じられていたのもうなずける。親鳥がわが羽を広げてヒナ鳥を含むように包み込んでいる。そんな情景を想像するだけで、とてもやさしい気持ちになり、心がなごむ。鳥たちの慈しみ深いしぐさに、遠い昔の人たちは自分たちの子育てを重ね合わせたのだろうか。やがて成人し、独り立ちしていく様を「巣立 ...
『笑いあり涙あり』 「ほらほら、いただきますするよ。」「もう、みっちゃんたら。ちゃんとテーブルに向かってご飯食べなさいってば。まったくテレビがおかずなんだからー。」 聞いてほしい話がある時には、学校から帰るなり、「ねえ、お母さん、聞いて聞いて」とうるさいぐらいの娘。「本当にジコ虫(自己中心)なんだから」とため息がもれる。 彼女は現在、中学三年生。大学生の息子二人が別々に一人暮しを始め、争奪戦の激しかったテレビのチャンネル権も、彼女の手中に納まって久しい。「食事の時ぐらいはテレビを消して」と言いたいのだが、 ...
長男が小学校低学年のころ、ある授業参観日に担任の先生が次のような話をされた。 「今、算数で余りのある割り算の勉強をしています。例えば、ここに三人掛けのベンチがあります。二十人が座るには何脚のベンチがいるでしょうか、という問題に、ある子は『六脚余り二人』と答え、ある子は『七脚』と答えます。この差はどこにあるのでしょう。日ごろから色々な経験を積んでいる子は、余りの二人が座るにも一脚のベンチが必要だと考えます。しかし、机の前だけの勉強ではここに思い至らないのです。だからいつも心掛けて家のお手伝いをさせたりして、 ...
ある若夫婦の近況報告から…。 「僕は今、以前の仕事を辞めホームヘルパーの講習を受けています。色々考えて、やっぱり自分は何か人の役に立つ仕事がしたいと思い、妻に話をしました。小さな子を抱え、新しい命も芽生えているこんな時期ですが、妻は一緒に頑張るからと励ましてくれました。収入面でも苦労をかけると思いますが、家族で頑張りたいと思います。」 数ヶ月後、今度は奥さんから 「彼の仕事がなかなか決まりません。何度か面接にも行っているようですが、思うようなところがなくて・・。ところが今日ある病院の人事担当の方からお電話 ...
最近、頭の上に角ならぬアンテナが生えてきた気がする。友人に話すと話題のネタ探しだろうと冷やかされるのだが、何事も「意識を持って観る」と今まで何気なく見ていた出来事にも、新しいことを発見したり、深く考えさせられたりと、違って見えてくるから不思議である。心が動くのだ。自称『人間ウォッチング』は、また私自身を見つめ直す心の合わせ鏡でもある。 人はみな、出会いと別れを繰り返しながら成長し、その人なりの人格を形成していく。しかし、その出会いも別れも、必ずしも自分が望んでいるようにはいかないものに思われる。神のみぞ知 ...
冷蔵庫に首を突っ込んでみかんを取り出しながら「あーあ、おじいちゃんがいたらちゃんと皮をむいて、ハイみッちゃん食べなさいって言ってくれたのになー。」 高校一年にもなる娘の、目が点になりそうな発言に小言を言おうとして、辛うじて思い留まった。 この子にとっておじいちゃんがどんなに大事な存在だったか。一年前、大好きなおじいちゃんが癌の身上を頂いて出直してからというもの、一時は精神的にもかなり不安定になり、胃腸障害や過呼吸を頻繁におこし、随分心配をした。 同じころ、中学の校長先生との面接で「あなたの尊敬する人は?」 ...
長男は、学生時代からせっせとアルバイトをしては、よくアフリカや中米へと、休みの度に貧乏旅行を繰り返していた。「せめて行くなら、アメリカやオーストラリアにしたら?」という私に、アフリカや中南米の混沌としたあの喧騒さ、そこに身を置くと、日本にはもうないような、沸沸と湧き上がるようなエネルギーを感じるのだと遠い目をして話してくれた。 大学卒業間近にして、在外公館派遣員に応募した時も、派遣先を希望するにあたり、教授に教えていただいて、治安の悪い国順に番号をつけたというのだから、親としてはたまらない。そうして決ま ...
先日、新郎にも新婦にも面識がないのに、彼らの手作り結婚式を手伝わせてもらった。 話はこうである。友人宅を訪ねたら、先客がおられた。息子の結婚の仲人をお願いに来られていたのである。一応の話も済んで、披露宴はどうしようかというところで、友人が「手作りの披露宴をした方が温かくて心に残る。上手い具合に経験者が来てるよ。」と言って、私たちを引き合わせてくれた。 実は一年ほど前にも、同じような楽しい思い出がある。今度も仲人の心意気に乗って、世話焼きの面々が集まった。会場の飾りつけからフラワーアレンジメント、ウェディン ...