「くも」という題名の詩を読みました。 「空が青いから白をえらんだのです」 たった一行の詩です。 「空が青いから…、空が青いから…」読み返し、つぶやき、そして目を閉じて、心で何度も転がしてみます。何度も、何度も転がしてみます。言葉がだんだん広がって、雲の白さに吸い込まれ、やがて空の青さに溶け込んでいくような気持ちになりました。 この詩を書いたのは、実は少年刑務所に服役中の少年です。奈良少年刑務所が取り組んでいる「社会性涵養プログラム」の一環として、少年たちの更生を願い、彼らの情緒を耕すために、寮美千子(りょ ...