相談文
5年前に夫を亡くしてから、一人で老舗の「和菓子」屋を営んでいます。そんななか先日、息子夫婦から同居を勧めらました。私の生活のことを心配してくれたのでしょう。最初にその話を聞いたとき、うれしかったのですが「まだ店を続けたいから、しばらくは私のことは気にしないで」と言ってしまいました。しかし突然、私も年が年なだけにいまは健康な体でも、この先いつ倒れるのか分からないという、不安な気持ちにかられたのです。病気になってから息子夫婦に介護されるだけの同居は嫌です。いまになって、息子との同居を先延ばしにしたことを後悔しています。どうしたらいいでしょうか。
回答文
ご主人を亡くされてから5年。突然の出直しであったとお手紙にありましたから、きっとご主人も心残りだったことでしょう。しかし、あなたの方は無我夢中でしたよね。並大抵の努力ではなかったと思いますが、よくお店を続けてこられました。
息子さんは、そんなあなたに、もうそろそろ楽をさせてあげたいと思って、同居の話を持ちかけられたのでしょう。親を思う子どもの心、両親の薫陶を受けた優しい心の持ち主ですね。
一方、あなたは揺れ動いておられます。ご主人と二人三脚で築いてこられた和菓子屋を畳むのは寂しいし、まだ元気なうちは働き続けていたい。できれば息子に迷惑をかけず、今の生活を続けたいと思って、息子さんの申し出を先延ばしにされたのでしょう。しかし、ふと別の考えにとらわれてしまいました。倒れてしまってから介護されるためだけに同居するより、息子さんが誘ってくれたのを良い潮時に、同居した方がよかったのではないかと。
あなたの気持ちはよく分かります。とても不安なんですよね。自分の決断に自信が持てず、それなら息子の申し出に従った方が良いのではと思っておられるのです。でも、同居する時期が良いとか悪いとか、それは後の結果次第です。要は後から考えても、「この時期で良かったんだ」と思えるタイミングのご守護をちょうだいできるかどうかだと思うのです。そう思えば、迷いの心を解き放し、しっかり親神様に凭れて通ることが安心の道であることがわかるでしょう。
また一つ、人は皆、居場所があり、誰かと繋がりあっていることで、生きている実感を味わうものだと思います。大変ではあっても、今の生活には、きっと生き甲斐を感じておられるのではないでしょうか。そうであれば、息子さんとよく話し合われて、できるだけ長く、今の時間が続くよう協力してもらいましょう。もし、新しい土地に移られるなら、早くコミュニティになじめることを祈ります。教会が近くにあることも。 離れていることは、心配なことも多いですが、「神様に護って頂ければ大丈夫」と、あなたの毅然とした態度が子や孫に信仰心を映す機会になれば、これもまた、大いなるご守護ですね。
『天理時報』人生相談 回答者:吉福多恵子
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