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人生相談の現場から・・・人付き合いの基本

今日は、「人生相談の現場から・・・人付き合いの基本」と題して3つのことを、お話しいたします。

新型コロナウィルスの感染拡大による、各都道府県の緊急事態宣言は、やっと解除になりました。

3ヶ月も続いたステイホームの自粛生活。 学校も幼稚園も保育園もお休みになりましたね。

 

我が家は、孫が男の子3人です。加えて、里子として、2歳の男の子、高校2年の女の子をお預かりしています。男の子が4人ともなれば教会の中は毎日が運動会のようです。

3度の食事も手がかかります。大人が複数いる家庭だからなんとかなっていますが、

今、多くのお母さんたちが、一日中子どもと向き合い、外出もままならず、更には経済的な不安もあって、ストレス限界の生活を送っておられるのではないかと心配しています。

 

つい先日も4歳の男の子を養育しておられる里親さんのところへ家庭訪問に行ってきました。

「子どもが朝起きてから夜寝るまで、目を離すことができません」とおっしゃいます。

「ちょっと目を離そうものなら、『ここには入ってはいけないよ』 と教えてあるお父さんの書斎へ入り込んだり、この前なんかは、1人で外に出てしまっていてびっくりしました。

玄関は鍵がかけてあったのに、窓から出たみたいなのです。だんだん知恵がついてくるんですね。

もうトイレに入っていても気が気ではありません。」と、胸にあるものを吐き出してくださいました。

「そうかそうか。大変だよね。」と聞くこと2時間。「なんだか心が軽くなりました。」と言って、顔つきまで明るくなられたようで、私もうれしくなりました。

 

人付き合いの基本その1

「話す」ことは、「離す」に通ずると聞きますが、心の蟠り(わだかまり)を話すことで、

少しでも悩みを外へ離すことができたら、また頑張ろうと前を向けるのではないでしょうか。

 

さて、私は、現在、天理時報の人生相談というコーナーで、回答者をつとめています。

世の中には何と多くの悩みが存在するものかと驚くばかりです。

夫婦や親子、家族の間に起こる問題や、職場や友人との人間関係などを聞かせていただきます。

・無口で無関心な夫に嫌気がさしてきた

・長年両親の不和に悩んできたが、今度進学して家を離れるので、あとが心配

・悪口が絶えない隣人とどう付き合えば良いか

・先輩の彼女を好きになってしまった。

よくよく見ると、悩みの姿形は違いますが、全て「人付き合い」が問題だと思いませんか?

先日、主人の大工道具の中に、面白いものを見つけました。

どうやら歪(いびつ)な形のところの型を取る道具のようなのですが、どんなに凹んでいても、凸凹でもぴったりと、型を取れるのです。面白くて、子どものように遊びたくなりましたよ。

そして、見ていてピンと閃きました。

これ、「人と人との付き合い方」の極意なのではと思ったのです。

 

人付き合いの基本その2

この型取り機のように、心が沈んでいる人には、「どうしたの、辛そうだね」と、

イライラプンプンしている人には、「そうかぁ。腹が立ってしようがないんだね」と、

気持ちに寄り添って、受け止めて、心がほぐれるようと努めたいものだなと思います。

そうやって開いた心と心で、悩みのもとを思案できたら、きっといい解決方法も浮かんでくるのではないでしょうか。

よく考えてみると、今まで私が、子育てにしろ、人付き合いにしても、上手くいかなかったときは、きっと自分が真っすぐだと思っている定規を相手に押しつけていただけだったのだと、改めて反省しました。

 

ところで、以前、新聞で、「最近の子どもは、想像力が弱ってきている」という記事を目にしました。

子どもたちにアンケートをとると、死んだ人は生き返ると信じている子どもたちが、かなりのいるという結果も載せられていました。

ゲームの中がそうであるように、死んだ人もリセットボタンを押せば、生き返ると真剣に思っているということです。

私は、想像力の低下は、子どもに限ったことではないと思います。

我が子を洗濯機に入れて回した親がいました。

そんなことをしたら、どうなるのかということが、想像できなかったなんて悲しいですね。

私は、信仰には想像力が必要だと、日頃から思っています。

風も、空気も、目に見えない親神様の大きなご守護を感じる想像力を持ちたいと思うのです。

ご存命の教祖がお働き下されていることを感じ、有り難いと思える心。

そして又、日々の生活の中で、相対する人を思いやる。

今、この人は、何を思っているのだろうか。

どうしてほしいと思っているのだろうかと、みんなが想像力を身につけることで、「互い立て合い助け合い、陽気ぐらしの世界」に近づいていけるのではないかと思います。

 

そして、最後に 人付き合いの基本その3

もう一つ大切なのが言葉です。

「声は肥」と道の先輩はおっしゃいました。

一言の温かい言葉が、相手の傷ついた心を救うこともできるし、その反対もあり得るのです。

「ありがとう」「うれしいわ」「すみません」

自分の口から出す言葉を、いつも磨いて出したいと、心がけています。

 

人生相談からみえてくる家族、それは今の世を映す鏡であると思います。よく見れば、私たちの周りには、同じように悩んでいる方が必ずおられることでしょう。「お元気ですか」「お困りのことはないですか」「何かお手伝いさせていただきましょう」温かい笑顔を添えて、ひと言でも声を掛けさせていただきましょう。

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