依って立つ

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高校三年生の里子は、大学入試を目前にしています。
少々引っ込み思案で声が小さいのを克服し、面接対策に繋げようと、夕食後に音読を始めました。毎日10分くらいのことですが、努力の成果は目覚しく、随分大きな声が出るようになりました。
今、読んでいるのは、「1リットルの涙」。難病と闘う少女の日記は聞いていても胸が押しつぶされそうです。だんだんと失われていく機能、今まで当たり前にできたことが、目に見えて出来なくなる過酷な現実。戸惑いと悲嘆の中で、懸命に前を向いて生きる姿は、形は違っても苦しい日々を生きてきた里子にも、きっと感じるものがあるのでしょう。行間までも読み取るように、丁寧に気持ちを込めて読んでくれます。

さて、この里子も高校生活を終えると同時に措置解除となります。その後は、自分の足で歩いていかなければなりません。誰一人知る人のいない土地で、親の後ろ盾を頼むことなく大学生活を送るには、あまりにも「生きる力」に乏しい子です。もし、病気になったら・・・。もし、もし・・・。悩みは尽きることがありません。

そんな時、ふと、以前長男が南アフリカに行くと決まった時に言った一言を思い出しました。「お母さん、どこにいても神様に守っていただいたら大丈夫だよ。」そうでした。いったん里子として迎えた限りはわが娘。私はこの子に、どんな困難に出合っても、教祖が傍にいてくださるという安心感、心の拠り所を伝えておかねばと強く思いました。

考えてみれば、人は皆、与えられた命を、一人ひとりのステージで生きています。しかし、決して独りぼっちで生きているのではありません。自分を丸ごと愛してくれる人の存在や様々な出会い、また経験などによって精神の基盤が築かれ、そのステージの上で生きているのだと思います。ところが悲しいかな、里子の中には、こうした精神的基盤を持たない子どもが少なくありません。教会の里親活動は、子ども達に精神的基盤、依って立つところを与える仕事だと、最近思うようになりました。教祖の教えに根差した生き方を、親心を持って、これから子ども達に映していきたいと思います。


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-『陽気』信仰随想 2009年度, 生き方

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