吉福 成人

岐阜市にある天理教濃飛分教会の教会長をしています。天理教YouTuberとして天理教の教えや活動を分かりやすく紹介しています。また、天理教本部見学ツアーを不定期で開催しています。「天理教四世五世」というコンビ名でM1グランプリに挑戦しています。

2020/5/8

人生相談からみえてくる家族

二月三日は節分の日。そして、我が夫の誕生日です。息子家族が同居するようになり、里子も合わせて十人家族の今日この頃、この日は教会の夕づとめの後に、神殿で豆まきをしました。 夕食は、夫のささやかなバースデーパーティーです。今年のメインメニューは私の恵方巻きと嫁のヒレカツ。みんな「おいしい」と言って食べてくれました。ちょうど頂き物のロールケーキがあったので、ろうそくを立てたら、三歳の末の孫がおじいちゃんのひざによじ登って、自分で吹き消そうとします。その姿に、みんなが笑顔になりました。 小学二年生の孫からは、飛び ...

2020/5/8

さよならの向こうに

先日、母方の叔父の葬儀に参列してきました。母は五人きょうだいの一番上、亡くなった叔父は四番目で86才でした。 もう何年も前から足を悪くしていて、住まいの東京から岐阜までの長旅は耐えられないとのことで、長らく会っていませんでしたが、94才の母が元気にしているので、てっきり叔父も元気なことと思っていました。おそらく母もそうだったのでしょう、訃報を聞いてびっくりした様子でした。 きっとお別れに行きたいだろうなと思いましたが、母の体力を考えるとそれも叶わず、夫と私が出向くことになりました。 私の思い出の中の叔父は ...

2020/5/8

今月の目標

わが家は5月から10人家族になりました。デイサービスに通う母と、私たち夫婦と息子夫婦。それに学校へ行っている子供たちも4人います。大人がそれぞれに仕事や予定を抱え、子供たちも学校行事などで結構忙しいのです。みんながお互いの予定を共有しておかないと、様々な行き違いが起こってきます。 例えば、今度の金曜日から三日間は私たち夫婦が車でお出かけ。息子は日曜日に会議。同じく日曜日に、嫁はスポーツ少年団に入っている孫の試合で車出しの当番が当たっている。それぞれの予定をみんなが分かっていると、二台ある車は出払うので、会 ...

2020/5/8

世界は不思議に満ちている

 「賢い子に育って欲しいと願うなら、お子さんにお手伝いをしっかりさせてください。机に向かう勉強だけでは、本当の学力はつきません」。  息子が小学三年生になって初めての参観日に、新しい担任の先生がおっしゃいました。先生は続けて、 「例えば今、算数で余りのある割り算を勉強しています。『40人の生徒が3人がけの椅子に座る時、何脚あれば全員座ることができるでしょう』という問題に対して、40÷3=13余り1、という計算はできても、この問いの答えを導くには、余りの1人にも1脚の椅子が必要だと想像できるかどうかが大切な ...

2020/5/8

親心、弥生の空に昔も今も

 三月三日は桃の節句。おひな様は、女の子のお祭りです。 長女が生まれた時、父はよほど嬉しかったのか、それほど余裕のない中で、ひな人形をあつらえてくれました。所狭しと飾られたおひな様の中から父が選んだのは、渋い草木染めの十二単をまとった、上品な顔立ちの木目込み人形でした。もっと子供が喜びそうな華やかなのを選べば良かったのに……と周りから言われもしましたが、私は自分がおひな様を買ってもらったことがなかったので、あることだけで嬉しくて、とても幸せな気持ちでした。 一年に一度出会えるおひな様は、とてもいとおしく、 ...

2020/5/8

勇人君の宿題が教えてくれた

秋の日のことです。学校から帰ってきた勇人(ゆうと)くんが、お菓子を食べながら、お母さんとなにやら話し込んでいます。「なんの話?」おばあちゃんの私が聞くと、お母さんが教えてくれました。 「今度行われる参観日に、『秋、見~つけた』というテーマで作品を作るそうなんです。それで、参観日までに秋らしいもの、例えばどんぐりとか、いちょうの葉っぱとかを集めてきてくださいと言われていて、この前から勇人と一緒に近くの公園などを探しているんですが、どんぐりが見つからなくて。どうしようと話していたんです」。 「まあそうなの。昔 ...

2020/5/8

ストレスがトマトを育てる

静岡でトマトを栽培しておられる鈴木さん宅にお邪魔したときのことです。床暖房のきいたリビングに、大きなコンテナが積み上げられていました。何だろうと中をのぞいてみると、まだ青いトマトがいっぱい詰まっていました。 「今回のトマトはもう終わりでね。普段は木で赤く熟したものを出荷しているんですが、畑を調整するために、青いのも全部収穫したんです。こうしてしばらく置いておくと、赤く色が差してくるんですよ」と、後ろから声がしました。なるほど、二段目、三段目とコンテナを見せてもらうと、赤くなったトマトも見受けられます。   ...

2020/5/8

母の一大事

「おばあちゃん、見て。大きいおばあちゃんの似顔絵描いたよ。そしてこれはね、バースデーケーキ!」  わが家は、親、子、孫、ひ孫の四世代家族です。孫たちは、曽祖母にあたる母のことを「大きいおばあちゃん」と呼びます。  母の誕生日を前にして、孫たちが誕生日プレゼントを作ってくれました。似顔絵はよく描けているし、紙箱を何段も重ねたバースデーケーキは、ろうそくも飾られた、高さ40センチほどの大作です。折り紙を使っての長い輪飾りもできました。  みんなで母の部屋に持っていくと、母は手を叩いて大喜びです。ワイワイガヤガ ...

2020/5/8

母の一大事 Part2

「吉福さーん、こんにちは。検温お願いします。」 昼下がりの病室には、ゆったりと時間が流れています。 「吉福さんは、いつも違う顔の人が来てくれて、いいですね。近頃は土曜、日曜でも面会に来てくれる人がない方も多いんですよ。」体温や血圧を図りながら、看護師さんが優しく話しかけてくれました。 「お母さんは頑張ってたくさん子どもを産んだものね。みんなには親孝行してもらわなきゃね。」と姉が返すと、聞いていた母はにっこり微笑みました。 95歳の母は今入院中です。私は、この原稿を母の病室で書いています。 2年前、お風呂場 ...

2020/5/8

言葉紡いで

 三年ほど前のある日、親しい友人から「俳句の勉強を一緒にやらないか」との誘いを受けました。以前から俳句や短歌を作ってみたいなという思いはあったのですが、なかなかきっかけがなく、その思いは心の隅に追いやられていました。聞けば、先生もおられて、本格的な指導が受けられるということで、もちろん二つ返事で参加を決めました。  ほかにも、呼びかけに応じて、すでに嗜みのある人はもちろん、今まで俳句などとはおよそ無縁だったような人も名乗りをあげて、ユニークなメンバーが集まりました。 集まる日にちが二十四日と決まっているこ ...

2020/5/8

母から受け継ぐいいあんばい

 夏の一日。まだ照りつける日差しに、軒先には直径1メートル以上ある竹製の丸いザルが干してあります。一年中で一度だけ使われるこの道具、さて、何に使うのでしょうか。答えは、梅干しを土用干しするためのザルなのです。皆さん、知っていましたか?  私は、結婚して母がこのザルを物置から出してきた時に、何に使うのだろうと、その大きさと共にびっくりした思い出があります。里の母も何年かに一度、梅酒や梅干しを漬けていたのを見たことがありましたが、こんなザルは使っていませんでした。きっと、これを使うほどの量でもなかったのでしょ ...

2020/5/8

心の奥に眠る言葉

「くも」という題名の詩を読みました。 「空が青いから白をえらんだのです」 たった一行の詩です。 「空が青いから…、空が青いから…」読み返し、つぶやき、そして目を閉じて、心で何度も転がしてみます。何度も、何度も転がしてみます。言葉がだんだん広がって、雲の白さに吸い込まれ、やがて空の青さに溶け込んでいくような気持ちになりました。 この詩を書いたのは、実は少年刑務所に服役中の少年です。奈良少年刑務所が取り組んでいる「社会性涵養プログラム」の一環として、少年たちの更生を願い、彼らの情緒を耕すために、寮美千子(りょ ...

2020/5/8

家族のかたち

平成3年3月3日、夜も遅くなって入った一本の電話。 「兄が交通事故に遭いました。まだ詳しいことは分かりませんが、かなり危険な状態だそうです。場所は、教会から一時間ぐらいのところです。私のところからでは五時間以上もかかってしまうので、すみませんが見てきてもらえませんか」 電話の主は、親の代から長年にわたって信仰してくださっている信者さんでした。早速、夫と二人で病院に駆けつけました。 話には聞いていたものの、ご本人のSさんとはこの時が初対面でした。まだあちこちに血の跡がにじみ、顔はおそらく二倍ぐらいに腫れ上が ...

2020/5/8

ほめて 笑って ダイエット

「お父さん、今朝は何グラム?」 「そうだなあ、昨日はちょっと食べ過ぎたから、120グラム」 「お母さん、おばあちゃんは何グラム?」 「そうねえ、おばあちゃんは100グラム、と言いたいところだけど、このところ食欲ないし、80グラムは絶対食べてほしいよねえ。お母さんはいつものように110グラムでお願いします」 私たちのことをお父さん、お母さんと呼んでくれるこの子は、3か月ほど前にやってきた、わが家の里子ちゃんです。もうすっかり家族にとけ込んで、今日も朝食の手伝いをしてくれています。 さて、近頃わが家の食卓では ...

2020/5/8

思い出は半切り桶と共に

 わが家にある大きな半切り桶。半切り桶とは、お寿司を作る時に、ご飯にお酢を混ぜ合わせる木製の桶のことを言います。この半切り桶、私が嫁いできた時にはすでに使われていて、しかも充分に使いこまれた風格がありましたから、おそらく半世紀以上、わが家の台所を見てきた「台所の主」のような存在です。  底も周りも釘など一切使わず、木の板を組み合わせて作られていますが、長年使っているうちに、周囲を締めている金のタガが緩んだり、底の板が反ったりして、木と木の間に隙間ができ、お酢が漏れてしまうことがあります。 そのたびにタガを ...